メディコンパスクラブでは、南東北病院グループの協力のもと、治療法を選択する上での医療情報サポートにも努めております。
陽子線治療 Proton Therapy
陽子線治療とは
陽子線は通常の放射線と異なった特性を持っています。狙った深さでエネルギーを最大にし、しかもそこで止まるように調整できます。そのため、がん細胞だけに陽子線を集中的に照射し、周辺組織への影響を極力抑えた治療が可能になります。
陽子線治療の有効性
陽子線治療はその有効性が認められ、現在、小児がんをはじめ、前立腺がん、頭頸部がんの一部などで公的保険の適応となっています。
南東北がん陽子線治療センターでは、それ以外にも、動注化学療法と陽子線治療を組み合わせた頭頸部がん治療や、肺がん、食道がんなど、手術やほかの治療では困難ながん治療にも力を入れ、多くの実績を上げています。
サイバーナイフ Cyber Knife
切らずに治す放射線治療
サイバーナイフは、体にメスを入れず、患者さんの体の周りを機械が動きながら、さまざまな方向から細くて弱い放射線（エックス線）をピンポイントで集中照射する定位放射線治療装置です。新百合ヶ丘総合病院には、サイバーナイフのなかでも、最新の第4世代の機器が導入されています。
がんなどの病巣を捉えて追尾する技術はミサイル技術を応用したもので、病巣だけを狙い撃ち、病巣以外の部位への照射を抑制、副作用を極力抑えた治療が可能です。
lMRT 強度変調放射線治療
腫瘍部分のみに放射線を集中照射
放射線（X線など）によるがん治療は、一般的に腫瘍に照射する放射線量を増やせば抗腫瘍効果は大きくなりますが、同時に放射線による合併症の頻度も大きくなります。なぜならば、がん患部以外の正常組織にも照射されるからです。この問題を解決したのが強度変調放射線治療（lMRT＝Intensity Modulated Radiation Therapy）です。
IMRTとは、コンピュータの助けを借りて腫瘍部分のみに放射線を集中照射して治す画期的な新照射技術です。これによって、従来の方法では不可能だった理想的な放射線治療が可能となり、腫瘍制御率の向上や合併症の軽減が期待されます。
手術支援ロボット ダ・ヴィンチ da Vinci
体への負担軽減、微細な手術を可能に
手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」とは、体への負担が少ない内視鏡手術の特長に加えて、医師が臓器の3Ｄ画像を見ながら遠隔操作で鉗子付きのアームを動かし、人の手では限界のある微細な手術を可能にします。
前立腺がんをはじめ、子宮がん、肺がん、その他にも保険適応が広がり、「ロボット手術」の普及によって手術の安全性がより一層高まることが期待されています。
ハイパーサーミア サーモトロンRF8
第4のがん治療 免疫療法と温熱療法
現在のがん治療は、外科手術、放射線治療、抗がん剤治療が標準療法とされていますが、それらとは別の角度から、がん細胞を抑え込もうという研究が進んでいます。これは、第４の治療法とも呼ばれるもので、免疫機構に関する研究の進歩によって現実化してきた医療です。
総合南東北病院ならびに東京クリニックでは、『免疫細胞療法』と『温熱療法』（ハイパーサーミア）にも取り組んでいます。
『温熱療法』で使用されるのは、日本で唯一保険適応となる治療機器サーモトロンRF8。局所的に高周波で40分程加温して治療します。治療には副作用がなく、治療経過はPET機器などでスクリーニングし、確認されます。
