社長の健康リスクは、会社の経営リスク!


 経営者に定年退職は無い一。
 特に中小企業となれば、取引先や金融機関との付き合いなどもあり、実務上でも社長が一線を退くのはなかなか難しい。後継者問題があれば尚のこと、日々の激務のなかで自身の管理に気が回らず、社長の健康問題が倒産の引き金となるケースは後を絶たない。
 社長の健康リスクは、会社の経営リスクでもあるのだ。

 「日本人の平均寿命は延びていますが、大切なのは元気に働ける期間 “健康寿命” です。自身の健康が二の次になりがちな経営者さんには、早期健診・早期治療をお勧めしています」と話すのは、今回紹介する(株)東京丸の内ベストドクターズサービスの代表取締役社長・寺島邦夫氏(取材当時)。
 「健康管理は自己責任。だからこそ定期的に健康診断を受けるべきなのです」と指摘する寺島氏は、会員制の健診・医療サービス「メディコンパスクラブ」で、中小企業経営者などの健康管理をサポートする。
 同社は、2007年3月に設立。民間の医療機関として最先端医療に取り組む「南東北病院グループ」の全面的な協力を得て、質の高い予防医学、疾病の早期発見・早期治療のシステムを会員に提供している。
 会員は、同グループの最新のPET機器によるがん健診と高精度の人間ドックをそれぞれ年1回ずつ受診でき、万一疾病などが見つかった場合には、2012年に開設された「新百合ヶ丘総合病院」などのグループ病院で、最先端のサイバーナイフや陽子線を使った切らないがん治療などを選択することもできる。また、専任看護師にいつでも健康相談ができるサービスも強みとなっている。
 「費用は高額にも見えますが(笑)、例えば社長がグリーン車に乗る、ベンツに乗るのと同じ感覚で、医療面でも相応の環境づくりが必要です。我々は決して高い料金設定だとは考えていません」と寺島氏は話す。
 同氏はもともと、大手システム会社の出身で、知人の医師からそのスキーム構築力を買われて当社を立ち上げ、とかく閉鎖的な先端医療の世界を、ビジネスの世界と融合させた。
 「まだ健康なうちにこうしたドックや治療を行うことで、身体への負担も少なくて済みますし、結果的には個人の医療費はもちろんのこと、国の医療費削減にも貢献できます」(同氏)。
 会員向けの医療セミナーや医師との懇親会も企画されているそうで、仕事に忙殺されている経営者にとっては、自身の健康を見つめなおす機会ともなるだろう。
 健康リスクは経営リスクー。高品質な定期ドックを年間スケジュールに組み入れることも、立派な経営判断だ。

メディコンパスクラブを運営する(株)東京丸の内ベストドクターズサービス社長 寺島邦夫(取材当時)が、「経営者の健康管理」についてインタビューでお話しした内容をご紹介しております。

(TEIKOKU NEWS 第601回取材 2014/11/25 tue. 文中の役職名は取材当時のものです。)