メディコンパス/2024年4月取材:Southern TOHOKU Healthcare Group.

南東北病院グループ / リハビリテーションへの取り組み(2)

救命救急治療を終えた方、手術をされた方の急性期リハを担う

南東北グループ
総合南東北病院(郡山市) リハビリテーション科
作業療法士
若林 由起子 科長補佐
Yukiko Wakabayashi
 

総合南東北病院 セラピスト数
PT 69名 / OT 34名 / ST 12名
福島県内関連施設全体
PT 235名 / OT 123名 / ST 32名

〝その人らしく生きる〟ことを支える

 総合南東北病院のリハビリテーション科は、主に急性期リハを担っています。セラピストの数は、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)合わせて100名を超えています。回復期リハを担うのは隣接する南東北第二病院で、そちらでもPT、OT合わせて54名が活動しており、嬉しいことに、リハビリはかなり充実していると思います。
 私は作業療法士(OT)ですが、作業療法士は、食べたり、入浴したりといった日常生活に関わるすべての活動を「作業」と呼び、暮らしを取り戻す支援をします。東京だと一般的にOTの比率が少ないのですが、当院では、PT、OTが2対1の比率をキープしています。そういう意味では、患者さんに合わせたリハビリのメニューや、その人らしく生きることをサポートできやすい環境かと思います。
 言語聴覚士(ST)は、神経心理学研究部門に所属し、高次脳機能の検査や評価などで医師をサポートするチームと、嚥下だけに特化したチームで活動しており、合わせて12名になります。

リハビリテーション科の特長

 リハビリテーション科は、脳神経班(脳外科・神経内科)、運動器班(整形・外傷)、内部疾患班(外科・循環器)という3つの診療班で編成しています。
 当科の対象疾患としては外科が一番多いのですが、心臓、がん、消化器系の疾患の患者さんも多く、特に年を取ると肺炎が多くなるので、呼吸器系疾患などを受け持つ内部班のリハビリの患者さんが増えています。肺のリハビリでは、例えば痰を出しやすくしたり、肺機能を高めるなど、看護師さんと協力しながら行っていきます。

回復期への対応と外来への対応

 当院でのリハビリテーション後は、自宅に帰る人が6〜7割ですが、回復期のリハビリが必要であれば、隣接する南東北第二病院に入院して、在宅復帰を目指すことも可能です。
 また、当院の外来機能を持つ南東北医療クリニックには、整形外科や、神経難病系の患者さんをフォローする外来があり、リンパ浮腫への対応や、外傷センターが扱う転倒骨折後のリハビリなどを、主に運動器チームが担当して取り組んでいます。

南東北グループの強み

 南東北グループには、急性期から回復期、外来、老健(介護老人保健施設)まで、切れ目のない体制があります。グループの関連施設であれば、リハビリの内容をしっかり申し送りをして引き継いだり、病態の確認なども可能です。
 当院リハビリテーション科の一番の強みは、人材だと思います。人員が多いだけではありません。新人から、経験年数が豊富なベテランまで、年代も幅広く揃っています。PT、OTともに認定資格の取得者も多く、専門理学療法士の資格取得者も増え、質、量ともに充実したリハビリが可能な環境となっています。

急性期の早期離床

オールインワン立位

骨折後のバランス筋力訓練

■ 情報ワンポイント

総合南東北病院 リハビリテーション科 横田 富士夫 科長 より

 
 総合南東北病院は、南東北グループの中核施設です。南東北医療クリニック、南東北第二病院とともに、南東北がん陽子線治療センターや南東北BNCT研究センターが隣接し、急性期、慢性期の疾患から、予防医学、最新がん治療を含めて、高度な先進的医療を提供しています。
 福島県内には関連施設として、南東北福島病院、南東北春日リハビリテーション病院などがあり、それぞれが地域医療を支えています。
 こうしたグループ病院との連携・協力のもと、総合南東北病院リハビリテーション科では、適切で質の高いリハビリテーションをそれぞれの患者さんに提供するとともに、地域のいろいろなケア会議への参加、行政のお手伝いや、フレイル予防教室にも協力し、地域を支える活動にも力を入れています。

総合南東北病院

南東北医療クリニック

南東北第二病院

一般財団法人 脳神経疾患研究所 附属 総合南東北病院
福島県郡山市八山田7丁目115
アクセス
● 東北自動車道 郡山インターより車で20分
● 東京駅から東北新幹線で約1時間10分
● 郡山駅から無料シャトルバス、路線バス運行…約10分

[南東北病院グループ / リハビリテーションへの取り組み 目次 ]

 
特集セラピスト:はじめに
社会生活への復帰を支える南東北グループのリハビリテーション
 南東北グループ リハビリテーション部門 山口 和之 ゼネラルマネージャー

救命救急治療を終えた方、手術をされた方の急性期リハを担う
 総合南東北病院 リハビリテーション科 若林 由起子 科長補佐に聞く

急性期から回復期、在宅までを担う 首都圏リハビリテーションの拠点
 総合東京病院 リハビリテーション科 原島 宏明 科長に聞く

急性期に加えて回復期病棟を新設最新のADL室でトレーニング
 新百合ヶ丘総合病院 リハビリテーション科 松本 恭徳 主任に聞く

最新の手の訓練用ロボットを導入し一人ひとりに最適なリハビリを提供
 世田谷リハビリテーション病院 リハビリテーション部門 渡辺 重人 科長に聞く

脳卒中のリハビリに強みリハビリロボットも7年の実績
 総合南東北病院(岩沼市)リハビリテーション科 安孫子 洋 課長に聞く